2017年2月25日土曜日

追い続けてもダメだと理解したら辞める、一旦撤退も良策だ

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『ブッダのことば』岩波文庫 中村元訳

65 諸々の味を貪ることなく、えり好みすることなく、他人を養うことなく、戸ごとに食を乞い、家々に心をつなぐことなく、犀の角のようにただ独り歩め。
67 以前に経験した楽しみと苦しみを擲(なげう)ち、また快さと憂いとを擲って、清らかな平静と安らいとを得て、犀の角のようにただ独り歩め。
68 最高の目的を達成するために努力策励(さくれい)し、こころが怯(ひる)むことなく、行いに怠ることなく、堅固な活動をなし、体力と智力とを具え、犀の角のようにただ独り歩め。
69 独座と禅定を捨てることなく、諸々のことがらについて常に理法に従って行い、諸々の生存には患いのあることを確かに知って、犀の角のようにただ独り歩め。
70 妄執の消滅を求めて、怠らず、明敏であって、学ぶこと深く、こころをとどめ、理法を明らかに知り、自制し、努力して、犀の角のようにただ独り歩め。
73 慈しみと平静とあわれみと解脱と喜びとを時に応じて修め、世間すべてに背くことなく、犀の角のようにただ独り歩め。
74 貪欲と嫌悪と迷妄とを捨て、結び目を破り、命の失うのを恐れることなく、犀の角のようにただ独り歩め。
75 今の人々は自分の利益のために、交わりを結び、また他人に奉仕する。今日、利益をめざさない友は、得がたい。自分の利益のみを知る人間は、きたならしい。犀の角のようにただ独り歩め。

2016年12月21日水曜日

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モーリス・メルロー・ポンティ
一般に考えられたように、現象学的還元は、観念論的哲学の定式であるどころか、実存哲学の定式なのである。―――ハイデガーの「世界-内-存在」(In-der-Welt-Sein)は、現象学的還元を基礎として、はじめて出現しえたのである。

科学は知覚された二つの線が、実在の二つの線と同様、等しいか不等かのいずれかであることを要求する。そして両義性ないし「ぶれ」(bougé)を許容し、文脈によって形が決定されるということが、知覚された物の本質に属することを見ようとはしない。

われわれが現象学の統一性とそのほんとうの意味とを見出すのは、ほかならぬわれわれ自身のうちにおいてである。大切なことは、典拠を数多く並べることではなくて、われわれにとっての現象学を定着し、客観化することである。

意識は絶えず自己の歩みを捉え直し、同一のものと認知できるような一個の対象のうちに収約し定着させ、次第に「見る」事から「知る」事へと移行しつつ自己自身の生の統一を獲得する。

あらゆる色は、その最も内面的な本質においては、外部に現れた事物の内的構造にほかならない。金の輝きは我々にその等質な組成を、木材のどんよりとした色はその異質な組成を感性的に呈示する。